2015年10月28日水曜日

Let's ネガティブ☆ 〜後ろ向きで行こう〜 その1


  おしらせ

 もうお気付きの方もいらっしゃると思いますが、
 今回より当blog主の名前を『ポコ太』改め『ミツカワ』とさせていただきます

 当初は "あちらではミツカワ” "こちらではポコ太” と使い分けようとしていたんですが、
 このGoogleアカウント紐付け時代。
 一箇所名前を変更すると、意図しない部分まで
 自動的に変わっちゃうんですな。G+ とか youtube とか…。

 そんなこんなでカオス的状況が生まれつつあったので、
 もういっそのこと統一してしまおうというわけです。
 なんだか今更ではありますが、これからは ”ミツカワ” としてよろしくお願いいたします。

 もっとも名前が変わったからといって、
 背が5センチ伸びたとか、可愛い彼女ができたとか、
 血液がサラサラになった、とかは一切ありませんのでご安心ください。

 …一切ありませんので…

     …ありませんので…

                              …orz








さて!今回から始まる新シリーズ。Let's ネガティ…



…て、おい!
「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」
どこいったんだよ?!

申し訳ございません。
KDD最終編のエントリーは諸事情により11月末にさせていただきます

なお諸事情はあくまで諸事情ですので、決して
コマ送り再生のやり過ぎでドライブが壊れたから では…?
とか、そういう詮索はなさらないでください。

あくまで、やむを得ない諸事情であります。





で、今回はなにかというとですねぇ…まあ一言で言って
『TM NETWORK 版 どうしてこうなった?!』です。

このネタ、実はかなり前から温めていたんですよ。
ただ 内容的にどーなの、これ?と思って、
今の今まで放置してあったんですな。

今回ドライブが…いや、諸事情によって急遽別のネタが必要になったため、
ようやくお鉢が回ってきたというわけです。
しかも書き出したら止まらない(笑)

というわけで今回より "秋のネガティブ祭" と称し、
3週連続でネガティヴの波状攻撃をお送りします。
これが終わる頃にはドライブも直って…いや、なんでもないっす。


じゃあみんな!(後ろ向きに)行くぜ!!
Let's ネガティブ☆






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ネガティブ☆その1
DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」


DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」のオリジナルである同タイトルビデオは
1986年12月に発売された。

これは同年8月によみうりランドで行われた野外ライブ
「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」に、
同年6月〜7月の全国ツアー「FANKS DYNA-MIX」の中野サンプラザ公演を織り込んだもの。

旧TM NETWORK時代のビデオとしては収録時間・内容ともに、
非常に満足のいく買い物であった。



























…はずなのだが…、だが、しかし!
このビデオ、ミツカワにとっては1回見たきり、
ほとんど見ないビデオになってしまった。


落とし穴は映像ではなく音。


とにかくスネアにかかったゲートリバーブが終始、
ドシャーン!バシャーン!とうるさい、うるさい。
これではTMならではの細かい音に耳がいかない。




別に自分はゲートリバーブが嫌いというわけではない。

ただ同じゲートリバーブでも
"良いゲートリバーブ" と "悪いゲートリバーブ" があると思っていて、
このビデオで聴けるスネアの音は、
正に典型的な ”悪い(品のない)ゲートリバーブ” だったのだ。


ということで独断による、良いゲートリバーブと悪いゲートリバーブの基準。

・良いゲートリバーブ → 迫力を出しつつも、音の芯が残っている。
・悪いゲートリバーブ → 芯が消えてしまい、音像がぼやけてしまっている。うるさいだけ。

音楽って100%主観なので、ここは『こういう好みの奴がいる』ということでご勘弁願いたい。




           で、





ここで声を大にして言いたいのは、
"実際のライブはこんな音ではなかった" ということ。


実際のライブではスタン!といった、ごくノーマルなスネア音で、
全体的な音の印象も、暮れてゆく夏の野外ステージにマッチした、
爽やかで少し気だるい感じの音だった。

このDVDで聴けるドシャーン!バシャーン!という非常に暑苦しい印象のスネア音は、
あくまで商品化の際 ”当時流行りの音” に加工されたもので、
実際のライブの音とは 全く別物にされてしまっている のだ!




ぐぬぬ…余計なことを…。

とはいえ、当時はこのもどかしさを人に伝える術がなく、
二重のもどかしさを抱えていた。






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しかしこの、ひとりでは解けないもどかしいパズル。

2004年に発売された限定BOX
「WORLD HERITAGE DOUBLE-DECADE COMPLETE BOX」に封入された
DVD「"BEE" presents TM VISION」によって、
一気に分かりやすく伝えることが可能になったのだ!




このDVDの終わりのほうに入っている「Come On Let's Dance」のライブ映像を見てほしい。
























頭一発目から破壊的なスネアが鳴り響いている。これは先のDVDで聴ける音と同じだ。




ところが、その後に入っている「passenger」のライブ映像では
スネアの音が全く違う。




この「Come On Let's Dance」と「passenger」は、両方とも、
DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」の中盤に収録されている
「雨に誓って」などと同じ1986年7月の中野サンプラザ公演であり、
さらにこの2曲は、間に「Give You A Beat」を挟んで続けざまに演奏されたものなので、
こんな極端にドラムの音が変わるわけがない のだ。



























つまり
本来のライブは「passenger」で聴ける音
だったということ。

「Come On Let's Dance」の方は当時テレビでも流れたところをみると、
最初から、公に出すために外行きのお化粧をされていたのだろう。
で、その予定がない自宅待機の「passenger」はすっぴんのままだったということだ。



DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」の話に戻るが、
1986年8月・よみうりランドでの野外ライブで実際に聴けたのは、
この「passenger」のスネア音と同じであった。
”この音” と ”あの音” では楽曲全体の印象が、
かなり異なることが理解していただけたろうか?


この
”商品化されているのにあの時の音が聴けない”
という、なんとももどかしい状況。

本当に余計なことしてくれた、と小室哲哉を恨みかけたのだが、
『もう一度あの時の音が聴きたい』というライブを作ったのも小室哲哉なのであり、
怒りの持って行き場のない状況に追い込まれたミツカワなのであった。






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なお冒頭で、当時としては非常に満足のいくパッケージだったと述べたが、
このときの見所としては他にも

 ・野外ステージならではの演出を含んだ10分近い演奏の「1974」
 ・カントリー&ウェスタン調にアレンジされたうえ、
  旧ライブバージョンのメロディーで演奏された「クロコダイル・ラップ」
  (その直前まで行われていた全国ツアーではレコードと同じメロディだったのに)
 ・旧TM NETWORKとしては最後の演奏となった「タイムマシン」

など沢山あり…

…突然、なんでこんな事を書き出したかというと
「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」って、
来年30周年なんだなぁって……

今のメディアなら収録時間の制限とか気にしなくていいからなあ…
30周年かぁ…30周年ですよね…



まあ、こうやって夢を見て毎年毎年 ズタボロに傷ついてきた んですけどね。




で、だ。

ミツカワのネガティブはこんなレベルではとどまらない!
実は もっと深刻な問題 があるのだ。






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個人的にTMで1番好きなアルバムは「Childhood End」なのだが、
人にオススメを聞かれた場合は
まず「Self Control」か「humansystem」を勧める。

特に楽曲という点に絞ると、全アルバムの中でも「Self Control」は粒ぞろいだと思う。
実はほとんどの曲は自分の好みでは無いのだが、それでも客観的にみて名盤だと思う。





























が、しかし
このアルバム「Self Control」、ミツカワはほとんど聴かない。
いや、聴けないのだ


理由は先程と同じ。


DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」と製作時期が近いため、
当時流行りの音ということで、冒頭の「Maria Club」から
ドシャーン!バシャーン!の連続。

「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」に比べると随分マシではあるものの、
やはり 同じ傾向の音 にされている。

これでは音楽を楽しむという気分にはなれないのだ。
(ただ、こちらで書いたように「Maria Club」の変則的なスネアのパターンは、
 このインパクトのある音色まで含めて考えられたものだろうな、とは思う)




そうはいっても、一応DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」に比べ
「Self Control」はスタジオ作品なので、曲毎に細かく音が作りわけられている

比較的まともなのは「All-Right All-Night」と「Fool On The Planet」の2曲
それに対し酷いのはタイトル曲「Self Control」だ。

念のため書いておくが楽曲の優越の話ではなく、
あくまでスネアにかかったゲートリバーブの話である。




というわけで次作「humansystem」が出たときは、
1曲目「Children of the New Century」の
スネアが鳴り始めるまでの43秒間、ドキドキもん であった。

結果的にこの心配は稀有に終わったわけだが、実際この観点から聴くと、
アルバム「humansystem」のスネア音は迫力を出しつつも、
どれも芯があり音像がはっきりしていることが分かるだろう。




この ”悪いゲートリバーブ” というのは80年代を象徴する音 でもあるので、
批判し出すと際限なく広がってしまうのだが、
とにかく嫌いなものは嫌いなので仕方がない。

と、ここまで書いて思い出したが、
ミツカワがこの問題で悶え苦しんでいた数年後(1990年頃?)
坂本龍一がインタビューで
『最近の流りで、もう歌と(ゲートリバーブをかけた)スネアしか聴こえないようなのが
 あるじゃないですか。ポーラ・アブドゥルとか…』
と 語っておりました。



  いたなぁ、ポーラ・アブドゥル(←そこかよ)



もうお願いだから「Self Control」は30周年記念盤で
”ナチュラル・リミックス” とかして2枚組で発売してほしいものである。

 「ミツカワ、TM聴こうと思うんだけどオススメ何?」
 「まずはセルフコントロールじゃないかな」
 「お前、よく聴くの?」
 「ううん。全然聴かない」
 「……」

↑この会話、今まで何回繰り返したことか!
名盤なのに聴く気になれないって、結構つらいのよ…トホホ…。




ただ、である。

アルバム「Self Control」はこのスネア音まで含めての作品』ではある
ので諦めはつくが、DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」に関しては、
本来のライブの音から改変されている わけで
(好きなライブだけに)諦めはつかないのだ。

来年で30周年ですね…。






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さて、有無を言わせず始まった新シリーズ。
次回はTMのあの名曲 を採りげます!
お楽しみ…にはなさらないでください…。(←ネガティブ・スピリッツ)


なお、当エントリーの趣旨にてらし、
本コメント欄でのポジティブな言葉はご遠慮ください。
皆様からの 至極のネガティブ☆コメント をお持ちしておりますぞ!


んじゃ、また。