2015年7月20日月曜日

ミツカワの・第6回・小ネタ☆『KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX』祭り!

ミツカワです。

さて今回は、途中に別企画を挟んだため忘れている方も多いでしょうが、
前回の最後で予告したように、小ネタスペシャルです。

昨年の夏にエントリーした "小ネタ『CAMP FANKS!! ’89』スペシャル" に続き、
今回は "小ネタ『KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX』祭り!"

しかも、いつもは3つの小ネタのところ、
今回は1つ増量して4小ネタ!



これは 
新しく別のBlogも始めちゃって、重箱の容量は減るんだろうな…
 …と思っていたのに逆に量が増えるなんて?!ミツカワさん素敵ー!!
という反響を狙って、捨て身で増量したというわけだ。

ふふふ、このミツカワ。そこらへんに抜かりはない。
これが俗に言う、安物買いの銭失いというやつだっ!

…いや…違うな…

これが俗に言う、二階から目薬!  …じゃないな…

       …あれ?
         秋茄子は嫁に食わすな???



…えーと

  …えーと

    …







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(小ネタ No.06-1)
[メビウスの空をどんぶらこ]

ツアー自体の話に入る前に、コレを収録したDVDのお話。

記念すべき小ネタスペシャル第1回の小ネタno.1-1は



今回はその第2弾。
「Beyond The Time」のシーケンスデーター名は何か?である。
…って、もう分かるよね(笑)

皆さん予想の通り、答えは “GUNDAM” である。

ただあなたは、この答えにはっきりとした根拠が示せるだろうか?
そこでこの「重箱のスミ!」の出番である。



用意していただくのは、DVD「FANKS the LIVE 2 KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」

この冒頭に当時、コンサートでスクリーン上映された、
オープニングフィルムが収録されている。

そう、ビルの屋上からメンバーが気球を飛ばすシーンが印象的なアレだ。
このフィルムのスタート直後に、ほんの一瞬パソコンのモニターが大写しになる。

それがこれだ ↓ 


























Songname に注目してみよう。
                  この部分 ↓





















     おーい “GANDAM” じゃなくて “GUNDAM” だぞー。うるさい人が来るぞー。




もちろん、この “GUNDAM” というタイトルのデーターが
「Beyond The Time」以外の曲であるという可能性が無いとは言い切れない。
が、そんなワクワクするような事態はそうそう起こらない。
みんないい大人なのだから、ここは素直に現実を受け入れよう。


というわけで、つまりこのDVD、
「Beyond The Time」は カットされていると思いきや、
(データー画面は)収録されていたのだ!!



まあ、特に嬉しくはないが…。







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(小ネタ No.06-2)
[昭和へ WELCOME BACK 2]

あえてこのタイトル ↑ について説明はしないが、
読んでいただければ伝わる、と言っておく。

これは大きな変化と言うより、ぬるっとした変化とでも言おうか。
MC について である。


コンサート終盤「Dragon the Festival」の演奏を終え、
残り「Beyond The Time」と「Human System」の2曲になったところで入る MC
(この場合はセリフと言う方が近い)に、A・B、二つのパターンがある。


まずAパターンのMC

  『どうもありがとう。僕たちTMが、そしてみんなの一人一人がどこにいたとしても、
   永遠に変わらない Human system。
   また出逢えたら、時を越えて Beyond The Time
                    →「Beyond The Time」演奏スタート



「時を越えて Beyond The Time 」って、はっきり言って、
ちょっとなに言ってるか分からない。

この言語センス、むしろ某リーダーに近いものを感じる。
やはり TM NETWORK を長く続けていると、こういう副作用が現れるのだろうか。



でもって、こちらがBパターンのMC

  『どうもありがとう。僕たちTMが、そしてみんなの一人一人がどこにいたとしても、
   永遠に変わらない Human system。
   また時を越えて出逢えたら、とっても素敵だと思います。Beyond The Time
                    →「Beyond The Time」演奏スタート


この場合の "Beyond The Time" は純粋に次曲のタイトル紹介となっている。
これには『時を越えて出逢えたら、最高だね。Beyond The Time 』
などのバリエーションがあるが、とにかく常識的な文言であり意味は分かる


最初はBパターンが本来のもので、
Aパターンは "やらかした” だけかとも思ったのだが、
Aパターンも複数公演で披露しているので、
ひょっとしたらAパターンが本来のもので、
しかし伝わりづらいため(というか意味不明のため)
泣く泣くBパターンが用意されたのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。(テキトー)



ちなみにミツカワの意見としては
『そもそも、こんなMCいらない』である。







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(小ネタ No.06-3)
[夜の芝生でどんじゃらほい]


TMのライブで特徴的な派手なライブアレンジ。

通常語られることが多いのは、バンド演奏のノリの良い曲が中心であるが、
今回はバラード曲のライブアレンジに注目する。

実は「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」で演奏された
「Time Passed Me By」は、ツアースタート時と終盤でアレンジが異なっている。



ツアースタート時のものは DVD「FANKS the LIVE 2」で見ることができる。

ベースとなっているのは、公演前に小室哲哉が弾いた演奏を記録し再生している、
舞台後方に設置されたアコースティックピアノ。

これに木根尚登の弾くアコースティックギターと、
小室哲哉がその場で弾いているストリングスを被せるというスタイルだ。































しかしツアー終盤になるとアコースティックピアノは自動演奏ではなく、
小室哲哉が生演奏するスタイルになる。
当然ツアースタート時に演奏していたストリングスは被せることができなくなり、
全体の音としてはショボくなる。



ただ「FANKS the LIVE 2」を見てのとおり、ツアースタート時の演奏スタイルでは、
カメラが引かないと3人が1つの画に収まらない。

ここでは音よりも、3人が舞台中央に揃って演奏するという演出面を優先したのだろう。








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(小ネタ No.06-4)
[シンセベースが街にやってきた!]


最後は小ネタの枠を少々超えるが「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」を軸に
旧TM NETWORK における "シンセベース事情” をのぞいてみよう。

ここではまず、エンディングなど曲の一部のみを弾くのではなく、
イントロからエンディングまで一曲丸々、鍵盤でプレイする場合から見てみる。






♫〜
旧TM NETWORK のライブで
シンセベースを担当したのは日詰昭一郎である。

1987年から88年にかけて行われた「Kiss Japan Tour」での彼のブースには、
YAMAHA DX7 が設置され、数曲で手弾きのシンセベースがプレイされた。

頼りない話で申し訳ないが、ミツカワの記憶だと
「TIME」と「Girl」はシンセベースだったはずだ。
『なんでこんなバラード曲で、わざわざシンセベース?』と思った記憶があるので。
(後年、曲の key の関係かと思って鍵盤で探ってみたが、特にそんな感じでもなかった)

またツアー後半から加わった「クリストファー」もそうだった気がする。
この部分、記憶の定かな方は是非、情報をおよせいただきたい。


しかし、この演出はアリーナツアー
「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」では無くなってしまう。
当然、日詰ブースにあった DX7 も撤去されている。

そしてご存知の通り「Kiss Japan Tour」(ホールツアー)は一切商品化されなかったため、
この日詰昭一郎によるシンセベースは歴史の闇に葬り去られてしまった。






♫〜
だが今年(2015年)、受注販売という形ではあるがDVDとして公式に世に出た、
テレビ神奈川の「Live TOMATO」にて、ほんの少しではあるが、
その面影を見ることができる。

このDVDに収録された「Beyond The Time」からのキャプチャーを見ていただこう。
彼が鍵盤でベースラインを弾いているのが分かる。

















































ただし残念なことに、この番組中「Beyond The Time」のみカラオケ演奏なので(注)
このプレイもアテブリのようだ。

  (注)この番組の収録はホールツアー終了後、
     アリーナツアー開始までの間に行われている。
     他の曲(DVD収録以外にも「Self Control」「Get Wild」が演奏された)が
     ホールツアーで既に演奏されていたのに対し、新曲の「Beyond The Time」は
     まだライブ演奏用のデータが出来ていなかったと思われる。
     しかし放送時期を考えるとプロモーションとして
     演奏しないわけにはいかない、という事情だろう。






♫〜
興味深いのはアリーナツアーにおいて、
マニュアルプレイのシンセベースが姿を消しただけでなく、
ここから幾つかの曲で 弦の生ベースと合わせ、
打ち込みのベースも同時に鳴らされる
ようになっているということだ。

同年夏の東京ドーム、そして冬から始まる「CAROL tour」に向け、
ベースを全て打ち込みにするという方針は、この実験を経て固まったのだろう。

つまりベースに関しては「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」を起点として、
その前(Kiss Japan Tour)・後(東京ドーム公演)で、
180度方針が変わっていることになる。






♫〜
さて、この後から 旧TM NETWORK のライブにおけるベースは
全て打ち込みとなるので、ベーシストは存在しなくなるのだが、
その最初となった1988年8月の東京ドーム公演において一曲、
小室哲哉自身が丸々ではないものの、
かなりの部分をシンセベースでプレイしている曲がある。


というか "プレイする羽目になった” 曲がある。


問題の曲は「金曜日のライオン」
宇都宮隆がイントロの小節数を誤り、2小節早く歌い始めてしまったため、
打ち込みと生演奏が合わなくなって、ガタガタになってしまった。

ベースは ”ベース” と言うくらいなので、全体の演奏に大きな影響をもたらす。
人間が弾いていた「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」までなら、
このような状況でもその場の判断で危機を回避できたのだが、この時はそうはいかない。

1番はガタガタのまま演奏が進み、
事実上ここを支えているのは、曲を熟知している古参の松本孝弘ただ1人だ。
1番途中からは打ち込みの音はすべて消え、スカスカの状態になる。
そして2番のサビ辺りから小室哲哉が舞台上手・下段の鍵盤を使い
(これは「CAROL tour」でも同じセッティング)
シンセベースをマニュアルで演奏しはじめる。

この大惨事、1994年の東京ドームにおける悪夢の「COME ON EVERYBODY」と
同じように見えるが「COME ON EVERYBODY」がレコードに準じた編曲だったのに対し、
このときの「金曜日のライオン」は、この日のためのオリジナルアレンジ。
そこで失敗したのだから、結局
"正解の存在しない" 演奏 となってしまった。







♫〜
ここまでは一曲通しての演奏を見てきたが、
ここからは一部分のみのプレイを見てみよう。

「CAROL tour」では全編打ち込みとなったベース・パートだが、先の東京ドームと同じく、
小室ブース舞台上手・下段のEOSはベース用の音源ともつながっており、
ここぞという時は手弾きできるようになっている。

通常、このような打ち込みライブにおける手弾きは、
エンディングなどでリタルダンドする場合や、
その場の盛り上がりによって尺を引き延ばす場合など、
機械では合わせにくい部分で人間と入れ替わるという使い方が多いが、
「CAROL tour」ではどちらかと言うと "その日の気分でチョイスする音色のひとつ"
といった、シンセソロなどと同じような扱いに見える。

先に書いたエンディング部分のみのプレイについては、
第3部の「Don't Let Me Cry」などで行われていた。




しかし「CAROL tour」において特記すべきは、
同じく第3部で演奏された「Kiss You」だ。

曲中盤で披露される、宇都宮隆のダンス用に長く引き延ばされた間奏部。

ツアー途中まではこの部分の入りは、ドラムにボイスサンプルとオケヒットだけの
無機質な演奏であったが、ツアー終盤に入るとここに8~10小節程度の
小室哲哉によるベースソロ が入るようになる。
(アドリブプレイなので小節数は毎回変わる)

これにより非常にドライブ感あふれた演奏となり、
ツアー中盤までの無機質な演奏と印象を異にしている。


ただし、ここに書いたものはどちらも「CAROL tour」(ホールツアー)での話であり、
この要素は「CAMP FANKS !! ’89」でバッサリ、カットされてしまった。






♫〜
というわけで 旧TM NETWORK における小室哲哉のシンセベースプレイは、
その頻度にかかわらず、現在ではほとんど目にすることができない。

唯一と言っていいのが「CAMP FANKS !! ’89」における
「DIVE INTO YOUR BODY」で、新しく加わったエンディングパートだ。


DVDで見ていると大盛り上がりのラストシーンなのであまり気にならないが、
この曲、最後の最後で打ち込みのベースが一足先に抜け、
スカスカの状態になる 謎アレンジ である。
(しかも小節の節目ではないところでフッと消えるので、すごく気持ち悪い)

「CAROL tour」(ホールツアー)では、このスカスカのまま8小節演奏が続き、
終了であったが「CAMP FANKS !! ’89」ではエンディングがさらに引き延ばされている。

というわけで8小節のスカスカの後、再び入ってくるベースは小室哲哉による手弾きだ。
これは一瞬だが DVD「CAROL the LIVE」に収められていて、
現存する数少ない小室哲哉のシンセベースプレイ映像となっている。























   (「FANKS the LIVE 3」では背中のみ。
    「CAROL Deluxe Edition」の当該部は「CAROL the LIVE」と同じカット)






♫〜
なお再結成後の TM NETWORK においては、
2004年6月「DOUBLE-DECADE」武道館における新曲「GREEN DAYS」で、
全篇シンセベースをプレイする小室哲哉を見ることができる。
特別参加の浅倉大介が通常のシンセプレイをしているため、
ちょうど「RHYTHM RED tour」と役割が逆転した形だ。

途中、小室哲哉がシンセソロをとる部分は当然ベースが抜けてスカスカになる。
このアレンジで阿部薫のドラムプレイが激しいのは、このスカスカ感を補うためだろう。






♫〜
というわけで「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」は位置付けとしては
「Kiss Japan Tour」のアリーナツアーということになっているが、
一部システム上は「CAROL tour」に繋がるスタート地点であったとも言えるだろう。







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最後にぶっちゃけると、ミツカワ「Kiss Japan Tour」は大好きですが、
「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」はあまり興味ありません。

というのも「Kiss Japan Tour」における個人的な見どころが、
バッサリ☆カット されていると感じているからです。

今回あげた "手弾きのシンセベース" はそのひとつです。



ただこのアリーナツアーが、デビュー以来積み重ねてきた、
TM NETWORK としてのライブの1つの完成形である事は間違いなく、
また、なんといっても宇都宮隆の衣装が
TMとしてはかなり常識的 なこともあり、
TMをよく知らない人には、まず最初にすすめていました。




さて次回は、いよいよ眠っていたあの企画が再始動!
って、えっ?次回も「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」?!

んじゃ、また。