2014年5月31日土曜日

日本EXPO化計画 〜 俺に [EXPO ver.] を弾かせろ

とある泉のほとりにて

 神 『ポコ太よ。お前が落としたのはこの「17 to 19」か?
    それともこの「グリニッジの光を離れて」か?』

ポコ太『いえ神様、私が落としたのは1991年秋にリリースされた、
    アルバム「EXPO」収録の「Tomorrow Made New [EXPO ver.] 」
    (以下 [EXPO ver.])でございます』

 神 『ポコ太よ。お前は正直者じゃ。
    褒美として1990年冬の『RHYTHM RED TMN Tour』にて先行披露された
    この「Tomorrow Made New  [RHYTHM RED Tour .ver]  」
    (以下 [RHYTHM RED ver.])を授け…  』


   テメェ、何しやがるっ!
    余計な事してんじゃねぇーっ!






              閑話休題






ここのところすっかり『☆Tomorrow Made New 芸人☆』と化しているポコ太
世間ではまだまだ30周年の話題でかまびすしいですが、
当・重箱ブログとしては この話題が本筋ですっ!(血走った目)



というわけで、今回はついに訪れた決着の時。
「Tomorrow Made New」の [RHYTHM RED ver.] と [EXPO ver.] を比較しつつ、
改めてこの曲の魅力に迫っていきましょう。

        ↑
     (建前)

     (本音)
        ↓

って、そんなワケねーだろー。
コレ読んだ奴、
全員まとめて [EXPO ver.] にしてやるっ!!
(興奮のため、自分でももはや何を言っているのかよくわからない)




なお、まだ前編を読まれていない方は、こちらを先にどうぞ。






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そもそもの事の起こりは、こうである。

永年の夢であった「Kiss You」の弾き語りを無事終えた、
というか強引に終わらせたポコ太は、次なるターゲットを
「Tomorrow Made New [EXPO ver.] 」の弾き語りに定めた。



…え~と、ここは突っ込み所ではない。
本人が好きなものを選んでるだけである。
あなたにもし優しさがあるなら、そっとしてやっておいて欲しい




早速、鍵盤に向かって耳コピを始めたのだが
どうあがいても腕は2本しかないため、その場面、場面から
一番目立つ音をピックアップして繋ぎ合わせていくことになる。


しかしそうすると、あっという間に
 [RHYTHM RED Tour .ver] の出来上がり!
になってしまうのでございますよよよ・・・(号泣)



敗北である。屈辱である。
いかん!断じていかん!!
俺がやりたい事はこんなことじゃない。




そこで、どうやったら2本の腕だけで [EXPO ver.] を再現できるのか、
いったん鍵盤の前から離れ、
自分の思う [EXPO ver.] のイメージや特徴を書き出してみることにした。






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まずはイメージから。

それぞれのバージョンについて、
思い浮かぶキーワードを羅列すると、こんな感じだろうか。


[RHYTHM RED ver.] → 泥臭い・ヘビー・モノトーン
[EXPO ver.]     → スペーシー・軽やか・カラフル


もちろんこれはポコ太個人の印象ではあるが、
例えばポジティブな評価である『軽やか』を
『軽くなってしまった』とネガティブに読み替えれば、
感じたポイント自体は、[RHYTHM RED ver.]  派の皆さんと同じではないかと思う。




次にこのイメージを生み出している、
具体的な特徴を箇条書きにしてみた。

[EXPO ver.] は [RHYTHM RED ver.] と比較して、以下の特徴がある。


・テンポが速い
・全編に渡る16分音符の裏ウチ
・16分3連の装飾的フレーズ
・Bass のアクセント位置
・Aメロ、及びサビのチェンバロ風音色のリフ
・オルガンソロ
・後半に現れるストリングス


ここでは以上、7点を [EXPO ver.] を特徴づけているポイントに設定した。






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では、 1つずつ見ていこう。




・テンポが速い

これは、このとおりである。
ただ、テンポ(とキー)の変更は、想像以上に
曲のイメージに影響を及ぼすという事は伝えておきたい。
それゆえに、一番最初に書いた。





・全編に渡る16分音符の裏ウチ

冒頭からシェイカーの音色で、
『スチャ・スチャ・スチャ・スチャ』と全編に渡り、延々と打ち込まれている。

これが先に述べたテンポの速さと相まって、かなりせわしない印象を与えている。





・16分3連の装飾的フレーズ

シェイカーと同じく冒頭からエンディングまで、
延々とチェンバロ風の音色によるパッキングが録音されている。

このチェンバロ風の音色はかなりボリュームが絞られており、
先のシェイカーと一体化して聴こえるが
シェイカーが延々16分音符の裏打ちを辛抱強く続けるのに対し、
このチェンバロ風の音色は所々、
抜け駆けするように3連符になる。

この3連フレーズになった瞬間、
主メロやギターリフの隙間から、かすかに聴こえてくるのが
ゾクッとして、ポコ太としてはかなりツボなのである。



このフレーズのネタ元はおそらく [RHYTHM RED .ver] のBメロで聴かれる
『ダダダダダダ・ダーダッ』という16分音符連打のパッキングだろう。




























さらにこの3連フレーズや、ベーシックなバッキングを弾いているオルガンには、
かなり大げさにディレイがかけられていて、
これがその瞬間、瞬間に空間全体に弾け飛び、
後に述べるサビのリフと並んで、
この曲をカラフルに彩っている。


TMの曲でベーシックなパートに、ここまで派手なディレイがかけられているのは珍しく、
アルバム「EXPO」期、特有のものといえるのではないか。
同時期に制作された、雑誌 K's MAGAZINE Vol.3 付録CD版の「大地の物語」でも
似たようなサウンドデザインがなされていて興味深い。






・Bass のアクセント位置

両バージョンのイメージの違いにいちばん影響与えているのが、これかもしれない。
両バージョンの Bass は似ているように見えて、根本的な部分が全く違う。



 [RHYTHM RED .ver] では、全てのアクセントが拍の頭 Just にきている。









曲に合わせ「1・2・3・4・1・2・3・4・~」と手を叩きながら聴くと、
すべての拍で Bass のアクセントと一致するのが分るだろう。

また、ひとつひとつの音の長さにも注目しよう。
3拍目の裏以外は伸ばした音で
隙間なく埋まっている。

これが、一歩一歩足を踏みしめて歩いていくような、
ヘビー、かつアーシー(earthy)な雰囲気を生み出している。




しかしそれが [EXPO ver.] ではこうなる。









3拍目のアクセントがシンコペーション(注)しており、
また、4拍目裏の部分は次の小節頭にむけての導入的フレーズである。

先のように曲に合わせ「1・2・3・4・1・2・3・4・」と手を叩いても
各小節1拍目でしか一致しない。
  (注)シンコペーション=アクセントとなる位置を前後にずらして、
     単調ではないリズムを産み出すこと。



また、それぞれの音の長さも16分音符主体となっており
結果的に、空白(間)の多い譜割 となっている。

これらの要素がテンポの速さと相まって、
地に足がつかない、地面からフワリと足が浮いたような
それでいて、グイグイと前に引っ張られるようなノリを産み出している。




ちなみに、Aメロ部分のベースが単純に繰り返しでなく、
1カ所だけ伸ばした音が混じるところを見ると、
この Bass パートは手弾きで入力したものと思われる。




また、本来 Bass とコンビネーションを組むバスドラムに注目すると、
かなり自由に(Bass とピッタリ合わせず)演奏されていることが分る。
(もっとも阿部薫が演奏した時点では、まだこのBassが入っていなかった可能性もあるが)
しかしそれがオルガンソロの部分のみ、カチッと合わせているのが興味深い。






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ここまでが曲の骨組み部分。いわゆるリズム隊である。

これらの要素はすべて、曲の冒頭から聴くことができる。
おまけに前回指摘したように心地良いバウンスビートである。
こちらのエントリーで書いた『わずか2小節でこの曲のとりこになった』という表現が
決して大袈裟な言い回しではなかったことが分っていただけただろう。



特にポコ太にとって音楽は Bass が占める割合が非常に高いので
冒頭の数小節、まだリズムだけの状態で、
すでに80点近くになっている のだ。





しかしここからさらにポコ太のツボをつきまくる要素が加わってくる。
"キラキラ" である。
ここからは曲に彩りを与える装飾部分、いわゆるウワモノを見ていこう。






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・Aメロ、及びサビのチェンバロ風音色のリフ

全体に渡ってメロディーらしいメロディーの無いこの曲において、
この印象的なリフが、事実上 [EXPO ver.] の顔とも言えるだろう。












しかしこのリフ、聴く人が聴けばすぐに気づくように、
The Beatles「Lucy In The Sky With Diamonds」の引用となっている。
(比較しやすいように、KeyはGに統一してあります)












譜面を見ればわかるように使われている音程は全く同じである。
というより、4分の3拍子(Lucy In The ~)に、G音を1つずつ足して、
4分の4拍子(Tomorrow ~)として
弾き直しただけである。(譜面参照)


























だが「Tomorrow Made New」との共通項はそこだけでは無い。
奇妙で取り留めも無い歌詞やタイトルにも注目しよう。



The Beatles「Lucy In The Sky With Diamonds」は
タイトルの頭文字を繋げると『L・S・D』となる事から、
この奇妙な歌詞とサイケデリックな曲調は、
ドラッグによるトリップ体験を表現したものだと騒がれ、
イギリス本国では一時期、放送禁止に追い込まれた。


もちろん「Tomorrow Made New」には、そんな物騒な意味は無い。
ただ「Lucy In The ~」の騒動は、小室哲哉だけでなく、
この年代のミュージシャンなら誰もが知っている話である。

リニューアル直後で『TMN』という名前を売りたい小室哲哉が
この曲の歌詞を発注した際、
 "T/M/N にひっかけた言葉遊び” というアイデアに、
『「Lucy In The Sky With Diamonds」
  のような~』
という形容詞を付けていても、おかしくはない。



この制作初期のイメージというのは、
完成したものが結果的には全く違うものになったとしても、
意外と製作者の頭に残り続けるものである。
(そしてそれは "結果しか知らない” リスナーとの間に、
 イメージのずれを産むこともある)
以前、こちらのエントリーでも似たような考察をした。




この時点では、単に例として引用しただけの「Lucy In The ~」が、
ツアー終了後、いざ [EXPO ver.] を作成する段になり、
頭によみがえってきた のではないか。

その結果が、この「Lucy In The Sky With Diamonds」そっくりな
リフの誕生へと繋がったのではと考える。


前回、この曲のタイトルと [EXPO ver.] の成立には関連があるのではないか?
と書いたのはこういうわけだ。




さてこのリフ、バウンスビートと合わさって、
シンプルでありながらとても心地良いリフである。
まさに『聴いて良し!弾いても良し!』だ。
ぜひみなさんも、このリフにチャレンジして欲しい。




・後半に現れるストリングス

1番のサビが終わると、前編にも書いたように
TM曲、唯一のオルガンソロが展開される。
ここはいつもの手癖満載なのだが、やはりかっこいい。
この時点で次から次へと、矢継ぎ早にご褒美が押し寄せてきて、ポコ太は Heaven 状態。



が、しかし、
ご褒美は、これで終りではなかったのだ!



オルガンソロが終わった直後のサビで、
初めてストリングスマシンによるフレーズがかぶさってくる。
このストリングスの音色といい、フレーズといい、
またまたポコ太好みのフレーズであり
もうこの瞬間、ポコ太は解脱状態である。




ポコ太にとって「Tomorrow Made New [EXPO ver.] 」は、
まさに 音の満漢全席 なのだ。





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さて、ここまでは各パート別に見てきたが、
もちろん一番最初に聴いたときから、
こんな各パートごとに聴いていたわけではない。

各パートについてはその後、冷静になってから一つ一つ切り別けて分析したのであり、
初めは耳へ塊でドーンと飛び込んで来た瞬間、
わけもわからず恋に落ちた のである。


ここではその初期衝動、
そもそも何で [EXPO ver.] に、
こんなに思い入れがあるのか?を書く。
極私的ではあるが、ポコ太とってのTM NETWORKとは?という
根幹にかかわる話なので
最後にコレを説明して、このエントリーを終りにしたい。




この関連エントリーの初めから
ポコ太は [RHYTHM RED ver.] に興味がないと書いてきたが、
実は1カ所いじるだけで大好きな曲になる



その方法とは、クレジットを『TMN』ではなく
『葛城哲哉 supported by TMN』にする。


これだけである。
こうするだけで、同じ曲でもポコ太にとっては
かなりツボにはまる曲となる。



以前こちらのエントリーにも書いたが、自分にとってTMとは
『ファンタジックと骨太という一見相反するものが融合した稀有な存在』
というものなので、骨太ではあるがファンタジックの要素をまるで感じない
 [RHYTHM RED ver.] には興味が持てないのだ。
(歌詞にかすかなSF臭がするくらいか)



しかし最初にあげた [RHYTHM RED ver.] のイメージである
 → 泥臭い・ヘビー・モノトーン は、
このツアー当時の葛城哲哉のパーソナルな魅力と見事に合致するので、
そこはかとなく漂う Led Zeppelin 臭も含め、
彼の曲だと思えば、かなり楽しめる。



しかしこれが、
「TMにしか作れない曲か?」
となると少々首をかしげてしまうのだ。
(これは本質的な話なので、その表記が TM NETWORK か TMN かは関係ない)





前回のエントリー以降。多くの方々からこの曲に対する考えを聞かせていただいたが、
その中の [EXPO ver.] に批判的な意見として
『とってつけた感じがする』というのがあった。

実はコレ、ポコ太も同意である。
その "とってつけた要素" が、たまたま自分のツボにはまる内容だっただけだ。

今回見てきたサウンドだけではなく、
例えば歌詞中の「♪月とピアノの悲鳴~」などは
アルバムのトータルコンセプトに無理やり合わせるための
とってつけた感が半端ない。



しかし、なぜ歌詞も含め新たな装飾を
『とってつけなければいけなかったのか』と考えてみると、
やはり小室哲哉自身が [RHYTHM RED ver.] に対して、
TMの作品としての必然性、説得力が弱い、と判断したからではないか?

 [RHYTHM RED ver.] は、TMN へのリニューアル、
そして新サポートメンバー葛城哲哉を迎えての高揚感の中で作られたものに感じる。
それだけに、この曲をいざ TMのアルバムに収録する、となったとき、
何らかの(ファンサービス以上の)
必然性を与える必要に迫られた。

ましてやコンセプト優先のTMとしては、この時も
『月とピアノ』と言うコンセプトを掲げており、
その面でも何らかのすり合わせを行わなくてはならない。




つまり [RHYTHM RED ver.] における、
葛城哲哉の圧倒的な存在感に対抗するための
『何か』を仕立て上げなくてはならない
と判断した。

その結果が人によってはミスマッチ、あるいは装飾過多にも感じる
とってつけた感の正体ではないだろうか。




しかし、ここまで装飾を施しても、
葛城哲哉のギターの持つプリミティブな臭いは全く消せていない。
Produce という意味では、小室哲哉の敗北に見える。

この曲がこれ以降、現在に至るまで顧みられることがないのは必然であろう。
(現在、涙を流しながら執筆中)




だが、しかし、もしかしたら、ひょっとすると、
この30周年ではサウンドではなく歌詞の部分(starchild~など)で
捲土重来を期すのではないかという、期待とも妄想ともつかない、
重い(誤変換だがあえてこのまま)を抱いております。





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さてポコ太にとって、初期衝動という意味では、これと同じ境遇の曲がある。
シングル「All-Right All-Night」である。


アルバム「GORILLA」でファンキーで骨太なダンスミュージックへと舵を切った
TM NETWORK ではあったが、
それ以前のファンタジックなスタイルはすっかり影を潜めてしまった。

「Nervous」や「Passenger」を大好きにはなったが、
そこにはもはや、以前のファンタジックな TM NETWORK の面影はなく
アルバム「RAINBOW RAINBOW」で産湯につかり、
アルバム「CHILDHOOD'S END」でドはまりしたポコ太としては、寂しい想いがあった。





そこへ現れたのが、シングル「All-Right All-Night」だった。



























この曲では「GORILLA」直系の
・派手なブラスセクション。
・ぐいぐいと曲を引っ張る、骨太な生の Bass。

は、そのままに

・イントロから聴けるピコピコシーケンス
・間奏の哀愁を帯びたリフ(前シングル「GIRL」と全く同じフレーズなのが気になったが…)
など、デビューアルバム「RAINBOW RAINBOW」で聴くことのできた、
ファンタジックでキラキラとしたサウンドが見事に融合していたのだ。



この曲でポコ太のTM熱は 第一次絶頂期を迎えた。
(なので、The Beatles「She Loves You」ばりのドラムから始まる
 シングルバージョンの方が、思い入れは深いです)




その後、年が明けアルバム「Self Control」発売間近になると小室哲哉の口から
『このアルバムのコンセプトは「GORILLA」+「RAINBOW RAINBOW」』
という趣旨の発言が聞かれ、ひどく納得したものである。


そして、この曲が初披露されたライブである
「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」のタイトル自体が、
既にそのコンセプトを先取りしていたのだと気付かされた。
(それだけに同ライブのDVDでは ”FANTASY" 部分が
 バッサリとカットされているのがなんとももどかしい。
 このコンサートの野外ライブとしての見せ場は、
 中間部分で映画『未知との遭遇』のワンシーンが再現された、
 9分近くにも及ぶ「1974」だった)





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この話のアルバム「GORILLA」を「RHYTHM RED」に
「All-Right All-Night」を「Tomorrow Made New」に置き換えれば、
ポコ太の「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」にかける想いが
分かっていただけるのではないだろうか。


つまりポコ太にとって「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」は、
「RHYTHM RED」直系のハードロックサウンドに
"TM NETWORK 時代のキラキラ感” が融合した曲なのだ。


しかし、同じようなコンセプトの「Love Train」に、ピクリとも反応しなかったのは
「Love Train」の場合は "「RHYTHM RED」と「TM NETWORK」の融合” ではなく
”「TM NETWORK」路線への軌道修正” 
に聴こえたからだと思う。

これはSingleと、アルバム収録曲の1つでしかない曲との
『背負わされる物』の違いであろう。




ところで、EXPO ツアー初期だったと思うが、
メンバーの発言で、新曲「WILD HEAVEN」のことを
"TM NETWORK パビリオン” と表現したことがあった。

ポコ太とっては「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」もまさにそうであり、
そう考えると短い期間だったとは言え、この2曲が続けて演奏されていたことは、
偶然ではあろうが感じるところがあった。





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皆様、長々とお付き合いいただき、
誠にありがとうございました。


ここまで分かれば後は実践のみ!
つまりピアノで [RHYTHM RED .ver] と [EXPO ver.] を弾き別けるには

・速めのテンポで
・全編に16分音符の裏ウチを入れながら、所々16分3連のバッキングを加えつつ
・Bass のアクセント位置をシンコペーションさせ
・Aメロ、及びサビにチェンバロ風音色のリフを入れながら
・間奏部分ではオルガンソロをキメる

ということとなります。(注)



って、無茶言わないでください!
全部、ポコ太の苦手なことばかりじゃないですかっ!!

えっ、じゃあお前、いったい何が得意なんだって?




               …。




では最後に、この不遇な23年間分のねっとりとした情念をたっぷり含んだ、
まさに「月とピアノとポコ太の悲鳴」を聴きながらお別れです。


んじゃ、また。







(注)ちなみに必死にあれこれ試したものの
   "後半に現れるストリングス” は泣く泣く断念!
   おお神よ!ポコ太はダメな…ダメな男です…。(以下、冒頭へLoop)




2014年5月25日日曜日

レポート / ツアー『the beginning of the end』〜 Season 1 の宇宙を越えて

ポコ太です。

ツアー『the beginning of the end』が終了して、ここ数日、
ずっと考えていました。


昨年1月に、この重箱Blogをスタートさせて以降、
TM NETWORK が Live を行うたびに
『当Blogの趣旨とは異なるのですが~』などと言い訳をしながら
結局、毎回レポートを書いている 自分がいるわけです。

はい、このありさまです ↓





もはや、誰にも信じてもらえなくなってしまいましたが、
ポコ太は本来、そこまで TM NETWORK の熱心なファンでは無いのです。
この重箱Blogの偏り様を見ていただいても分るように、
ただ自分の気になったことを、次から次へと書き飛ばしているにすぎません。
ましてやFANKSの皆様の前で、自分のことを
「FANKSです」などとは、とてもおこがましくて申せません。


なのに…それなのに、今また突き動かされるように、
このエントリーを書いている自分がいる。
なにが自分をそうさせているのだろう…。



今回のツアー最終公演となった国際フォーラム2daysを観て、
その理由がはっきりと分かりました。

本編の細かい内容はBD&DVDも発売されますし、
また他の方のブログでも詳細なレポートがあがっていますので、
当・重箱Blogではツアーのレポートではなく、
『TM NETWORK 30th・Season 1』のレポート
として読んでいただければと思います。





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ハイキック

本題に入る前に。

前エントリーのツアーリポートで書いた府中2日目の ”小室哲哉によるハイキック"
どうやらその後のいくつかの会場でも行っており、
すっかり新たな芸風になってしまったようです。

というわけで皆さん。
街で小室哲哉を見かけても不用意に近づかず、
十分に間合いをとることを心がけましょう。
彼の射程圏内に立ち入ってしまうと、
確実に首を仕留められます。




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姿と言葉

まず、ツアーの始まる前に公開された最新のアーティスト写真。
それを見た時、ポコ太は「あっ!」と思ったのです。

歳は重ねているもののその写真からは、大物アーティストというより
まるで1988年「STARCAMP TOKYO」の頃のアーティスト写真の
尖った雰囲気というか、オーラというか、つまり現役感あふれる姿に見えました。



























また前回も書いた通り、今ツアーのパンフレットはとても資料性が高いのですが、
それとは別に、後半に掲載されている小室哲哉インタビューが非常に興味深いものでした。

実はポコ太、昔から小室哲哉なりTM NETWORKの語るストーリーや設定に
まるで興味がありません。
ただ、それがあることで本人たちのやる気につながるのなら
ドンとこい!というスタンスです。


というわけでここで気になったのは、話している内容ではなくテンションです。


ミもフタもなく言ってしまえば、いい年をした大人が
まるで夢のような絵空事をテンション高く、延々と語っているのです。
もうこのまま放っておけば、「次回は木根くんにバレエを踊ってもらう」とか
「火の輪くぐりをしてもらう」とか言い出すのではないかと
ハラハラしてしまうほどです。


そこには再始動以降「大人としての~」とか
「歳なりの魅力を~」などと語っていた小室哲哉の姿はありません。
それとは正反対の、ほとんど子供じみたようなことを、
ものすごいテンションで語っているのです。

その "大人げない姿" がポコ太にはまるで「Self Control」~「CAROL」辺りの
"子供の頃にはしゃげたあのノリ” と重なって見えました。




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そして肝心のツアー内容

旧TM NETWORK時代、アンコールやMCがないというのは常識ではありましたが、
本当に一言も観客に向けての言葉がない、完全にコントロールされた
コンセプトガチガチのライブというのは一度もありませんでした。

30年を通して、今回が初めてです。


ひょっとすると昨年の『START investigation』も、
そうなるはずだったのかもしれません。
しかし実際には「Be Together」にて一言ですが、ウツからの呼びかけがありました。
これはあの時のウツの状況、そしてTM NETWORKの置かれた状況を考えると、
誰もが納得できる “妥協” だったでしょう。




80年代、あの一大コンセプトツアーであった『CAROL tour』開始前、
小室哲哉は『”オープニングの幕が開いても、そこに宇都宮君のいないステージ” がやりたい』
と何度も語っていましたが、しかし実際には御存知の通り、
オープニングは通常のコンサートと同じ形式で行われました。
いわば保険をかけたわけです。

ちなみに『Camp Fanks!! '89』でのオープニングは、
TM NETWORKのいないスタートでしたが
これは小室哲哉ではなく、舞台演出を手がけた鬼塚玲二の発案でした。


つまり、一番勢いがあった時すらやらなかった、
観客には一切語りかけない、挑戦的な、
ディスコミュニケーションともとられかねない姿勢を、
この『30周年』という否が応にも注目が集まる時期に
やってしまったことになります。

ツアー後半で強化された演出。
最終曲「Beyond The Time」の演奏が終わるか終わらないかというタイミングで
一気に幕が下りてくる様子は、一歩間違えるとコントのようでした。




そういう意味で実は今回、
一番必要なかったのが『30周年』という冠だったのではないかと思います。

30周年という言葉から一般の人が受ける
「熟練」「枯れた魅力」といった印象からはかけ離れた、
いや、正反対のステージングを観た時、
むしろそれは邪魔な冠だったのではないかとすら思います。




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小室ソロコーナーについて



さて、このまま抽象的な言葉を並べただけでは、上滑りで終わりかねません。
最初に述べた "ポコ太を突き動しているものが何か?” を書く前に、
少し近視眼的に見てみましょう。

ここではライブ中、ひとつの頂点を見せた小室哲哉のソロコーナーを例にとり、
(信じがたいことですが)30年目に訪れた、今ひとたびの黄金期について、
ほんの少しでもお伝えできればと思います。

なお今回のライブでは
・「RAINBOW RAINBOW」~「Be Together」や
 「Get Wild」~「Self Control」などでの盛り上がり。
・アレンジだけでなく歌詞やメロディーにも手を加えられた「CUBE」の静かな凄味
・もはや貫禄すら感じさせる「I am」
など演奏だけに絞っても、
いくつもの見所があったことはお断りしておきます。




演奏内容の前にご報告。

今回、1ヶ月にも満たないツアー期間にもかかわらず、
途中で機材チェンジが行われました。
まず、access『Virus TI2 Polar』が『Virus TI2 Keyboard』に変更。

Virus TI2 Keyboard

















そして『TI2 Polar』のあった場所には、6月に発売される
ローランドの新製品『AIRA SYSTEM-1』が導入されました。
つまりツアー序盤より1台増えて、計9台になったことになります。

ただしポコ太の見ていた限りでは、
2日間とも『SYSTEM-1』を演奏している様子はありませんでした。
ひょっとしたらローランドの営業さんが、がんばっただけなのかもしれません (^_^;) 
(2012年武道館『Incubation Period』での、CASIO『XW-P1』みたいなかんじ)




ソロコーナーは小室哲哉がTweetしていたように、
ツアー中盤の名古屋公演2日目より、
エレクトロの要素を大きく取り入れたものとなりました。

しかし今回の国際フォーラム2daysでは、
その前の手弾き部分も非常に見応えのあるものとなっており、
ここ数年の "各曲のおいしいところつまみ食い” 的なものでなく、
2日間とも「SEVEN DAYS WAR」をモチーフに据えて、様々に弾き崩すという、
しっかりとした構成になっていました。



19日と20日。どちらも素晴らしかったのですが、
BD&DVDにはおそらく20日が収録されると思いますので
ここでは、よりポコ太好みだった19日の方を説明させていただきます。
(基本的な流れは両日とも同じです)




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前曲「Just One Victory」のエンディングからそのまま、
まずは歪ませたオルガン音色で
マイナーペンタトニックの超高速早弾きインプロビゼーション。

そこから「TIME TO COUNT DOWN」のイントロに流れ込みます。
しかしこれも途中から早弾きインプロビゼーションへと変化し、
最後は痙攣を起こしたようなスピードで鍵盤を連打する小室哲哉。

この辺で、ステージ後ろの壁にキーボードブースの様子が大写しになります。
その指先まで捉えた映像に盛り上がる客席。


次に別の鍵盤に移り
ここ数年お馴染みのアコースティックギターの音色で
「SEVEN DAYS WAR」を弾き始めます。

はじめは最近よく聴く "いつものアレ” かと思ったのですが、
それも束の間、すぐにリズミカルなバッキングを始めます。
アコースティックギターの音色でこれをやると、まるでジャズサンバのようなノリに。


さらに別の鍵盤に移り、アコースティックピアノの音色へ。
ここでようやく原曲通りのしっとりとした演奏になるかと思いきや、
再び次第に早弾きになり激しく鍵盤を叩き付け、
最後はとうとうロックンロールピアノ風に弾き崩します。


ここまで、かなりラフなアクションを含みつつも、
モチーフである「SEVEN DAYS WAR」の面影はしっかりと残した演奏
そこがダラダラとした印象を与えず、ひとつの
『ソロコーナー』としての説得力
を与えていた要因だと思います。



そして、ここからいよいよエレクトロ風アルペジエーターのリフに乗せた、
怒涛の「Get Wild」サンプリング・プレイへ。
小室哲哉のハイキックとともにステージにセットされた火薬が次々に爆発!
これに生ドラムも加わり、会場は狂乱の祭りです。

昨年の『START investigation』はウツだけではなく、
小室哲哉も病み上がりだったためか
派手なアクションは見られませんでしたが、今回はスゴイ!


実はこの19日。
アルペジエーターのテンポが生演奏とズレてしまい、
非常に気持ち悪いことになっていたのですが、
もはやそんなこと、
どうでもいいような盛り上がり方。


そして一瞬の静寂をおいて「Get Wild 2014」のスタート。


ラフな演奏と、頂点へと向けての全体の構成が見事に融合しており、
ポコ太としては再始動後の…いや
全期通しても、5本の指に入るソロコーナー
でした。




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『This is TM NETWORK』

昨年のさいたまスーパーアリーナ公演『START investigation』の終演後、
スクリーンに大写しになった『This is TM NETWORK』と言う言葉。

この時は非常に力強いと書きましたが、実はこの言葉は両刃の剣となりかねません。
捉えようによっては、メンバーたちが "TM NETWORKと言う枠” に囚われ、
自己模倣に向かいかねない からです。
実際、ポコ太は2007年の『REMASTER』で、その匂いを感じてしまいました。



しかし今回のツアーを見る限り、その心配は杞憂に終わりました。
そこにあったのは『予想は裏切るが、期待は裏切らない』という
80年代の TM NETWORK が持っていたエンターテイナーとしての意地。

その意地の正統進化系です。

再びそれを見ることができる日が来るとは、よもや思いもしませんでした。


そしてこの ”意地” こそ
"ポコ太を突き動しているもの” の正体だったのです。


よく「80年代のライブを体験したかった」とおっしゃる方がいます。
もちろんその気持ちはよく分るものの、ポコ太としてはこう言いたい。

『もはや過去は必要ない!
 今、起こっていることを見逃すな!』…と。




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最後にひとつ妄想を

2012の武道館公演「Incubation Period」以降のTM NETWORKに対し、
単なる「リセット」という表現だけでは言い表せない、
モヤモヤとした想いがあったのですが、こう考えるとスッキリしました。

つまりこれは、1999年に再結成したTM NETWORKとは別の存在。
もし1990年にTMNにリニューアルせず(終了はあったにせよ)
TM NETWORKのまま活動を続けていたら?
という ”if” に対する回答。

いわば、パラレルなTM NETWORK なのだと…。




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で…?


ここで終われば感動美談で終わるのですが…。
ムムム、やはりここだけは突っ込まざるを得ない
最後にポコ太が以前つぶやいたものを貼り付けて、今回はおしまい。


んじゃ、また。