!Attention!
ネタバレ成分は控えめになっておりますが、
お体に合わない場合はただちに使用を控え、医師にご相談ください。
ついに始まったツアー。
『TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end』
昨日4月27日、最初の地となる
府中の森芸術劇場での2日目の公演を観てまいりました。
レポートに入る前におことわりを。
実は今回、ミツカワは『ツアーをまっさらな状態で楽しみたい』と考え、
4月22日発売のアルバムもシングルも買いませんでした。
買わないどころか、
試聴すらしませんでした。
ついふらふらと解禁直後に「LOUD」を聴いてしまったことを悔い、
今回は誘惑に負けないため、さらにTMの曲自体を聴かない
『TM断ち』という荒行を行いました。
前エントリーのコメント欄によせてくださった興味深い事例の検証のため、
「Carol (Carol's Theme II)」を聴いた以外は「Maria Club」も「Kiss You」も
「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」も無い、
空虚で色彩のない日々…。
ライブ直前の3日間程は、もう禁断症状が出るような状態。
仕方がなく『そうだ!似たようなものを…、似たようなものを聴こう!』と思い、
クリィミーマミのエンディング
「LOVEさりげなく」(※)を繰り返し聴いていました。
(※)編曲 - 西村昌敏 ギター - 松本孝弘
→ 結論として、やっぱりTMとはちょっぴり違うような気もします。
しかしそのおかげで、この日は最初から最後まで、
かなり新鮮で様々な驚きを得ることができました。
とまあ、このようにかなり特殊な環境で臨んだ奴の書いているレポートですので、
そこはご了承ください。
--------------------------------------
今回は昨年のライブとは異なり “ツアー“
しかもまだ始まったばかりなので、
どこまで書いていいのか、正直迷うところです。
というのも、アルバムとシングルが出た時点で、
演る曲目はネタバレしているわけです。
なので、いきなり踏み込んだことを書きますが
「DRESS2」は全てやる。ただし、ウチ1曲は日替わり要員。
+
数は少ないが「DRESS2」以外の曲も演奏する。
皆さん気になるのは、やはり「DRESS2」以外の曲だと思うのですが、
その中の1つは、まさかのアルバム「Major Turn-Round」から、あの曲が!
新たな歌詞やメロディーを付加されていて、これはもうLive アレンジを超えて、
ニューバージョンと言っていいのではないでしょうか。
3人だけで演奏したので「DRESS2」のテイストとは異なるのですが
このツアーの見所は、ひょっとするとこの曲かもしれません。
尚、この日(4/27)は「金曜日のライオン」をやらなかったのですが、
ただ「小室ソロコーナー」~「次曲のイントロ」の繋ぎ部分で、
この曲のシンセブラスのリフを弾いていました。
--------------------------------------
開演前の舞台には幕が下り、会場にはランダムに既存のTM曲が流されています。
この選曲が「FAIRE LA VISE」「69/99」
「雨に誓って」「月の河 / I Hate Folk」などなど、頭を抱えるほどランダムすぎ!
まあ、ココは日によって違うのでしょうが…。
さて「REASONLESS」を聴いて、
すっかり鬱な気分になったところで、
いよいよ本編スタートです!
まずはスクリーン上映あり。約5分弱。
そして大歓声の中、幕が上がります。
姿を表した舞台セットを見たミツカワは思わず「おぉ」と声をもらしてしまいました。
特に趣向をこらしたとか、奇抜なものでは無く、むしろシンプルなデザインなのですが
「そう来たか!」と思わせるものがありました。
今回は久しぶりに舞台上手に木根尚登、下手に小室哲哉という配置。
これ以降、曲順、演出等はバレ防止のため詳しくは書きませんが
ツアータイトルからも推察できるように、
今回のツアーは昨年のさいたまアリーナと完全に地続きとなっています。
ということで小芝居あり。
ただ今回は役者さんではなく、宇都宮隆と木根尚登が演じることとなります。
いつものこととはいえ、小室哲哉のムチャぶり企画のせいで、
舞台に背を向け、何やらデータを確認しながらパソコンのキーを打つ2人の姿を見ていると、
「TM NETWORKと言えど、
楽な仕事じゃないんだなぁ」
と感じました。(←率直すぎる感想)
--------------------------------------
演奏曲数、少なめ。
しかしライブは2時間。
つまり、
・イントロ ← 長え~よ!
・間奏 ← 長え~よ!
・曲と曲の間のつなぎインスト ← 長え~よ!
アルバム「DRESS2」でのアレンジも十分長いですが(←今、初めて聴きながら書いている)
これに、どこまでがエンディングで、どこからが次の曲のイントロか分らないような
“つなぎ” のインストが挟まるため、ミツカワとしては大歓迎なのですが、
歌を聴きたい人には微妙かもしれませんね。
--------------------------------------
宇都宮隆。
あれだけの大病の後なので、決してまだまだ本調子では無いとは思いますが、
少なくとも舞台上で見る限りは、元気な姿に戻っていました。
歌声はもちろん問題無し!
ハンドマイクで前に出てくるシーンもあり。
ただ先に書いたように、インスト部分が長いため、
しょっちゅう舞台袖にはけていました。
小室ソロコーナーあり。
いつものパターンでいろんな曲のイントロなどを、さわり程度に弾くようなものです。
ただこの日は残念ながら、1台のシンセの高域が音割れを起こしていて、
聴いていて不快な部分がありました。
弾いている本人も左耳のイヤーモニターをいじっている姿が見られ、
おそらく分かっていたんだと思います。
そのためかどうか、全体としてかなり散漫な印象が残りました。
しかし、これが引き金になったのか分りませんが、
この流れからの次曲「Get Wild」冒頭のフレーズサンプリングプレイ中、
(ジャンジャン・ジャンジャンね)で、とんでもない事が!
これは今後、あちこちの会場でやるようなこととも思えないので、
ネタバレを恐れず、はっきり書きますが、
3段積みキーボードスタンドの1番上に置かれた Roland「V-Synth GT」に向い、
小室哲哉、右足を振り上げ
まさかのハイキック!
観客もどよめきます。
このシンセの置かれた高さは、小室哲哉のちょうど脇くらいでしょうか?
年齢を考慮せずとも、なかなか凄いパフォーマンスだったと思います。
小室哲哉さん、30年目にして新境地!
さぁ、早く吉川晃司のシンバルキックと競演するのだ!
--------------------------------------
今回の小室ブースに置かれたシンセは全部で8台。
Studiologic「Sledge」など、ここのところ定番となったシンセばかりでした。
またそのうち2台には昨年と同じように、それぞれiMacが今回は2台ずつ、
計4台が繋がれていたのですが、このiMac、スタンド部分が外され、
おそらく特注のスタンドにより、かなり角度がつけられていました。
(ちょうどノートパソコンを全開にしたような角度)
そのため昨年はともすると
「Live中にネットをする人」
のような画になっていましたが、
今回はなかなか、さまになっていました。
iMacは客席に背を向けていたため、その画面を見ることは出来なかったのですが、
音から判断するに、相変わらず reFX「NEXUS2」は、使われていたようです。
それと最後の方で気付いたのですが、
ライブ終盤で木根尚登が久しぶりにYAMAHA「GX-1」を弾いていました。
ちょうどDVD化が発表された「Live TOMATO」(88年の方)でも弾いていた、
白いボディのものです。(コレ↓)
あ、そうそうハーモニカも吹いてましたよ!
--------------------------------------
アンコールはありません。
どころか『アンコール!』と叫ぶ余地すら与えられません。
有無を言わせぬ形で、気づいたら終わっています。
--------------------------------------
全体としては、まだ『シナリオ通りに一つ一つ進めている』
といった部分が垣間見え、固い感じは拭えませんでした。
これはツアースタート直後であれば、いつのときも同じであり、
この後全国を巡り、どのように成長して還ってくるかを
楽しみに待っていようと思います。
この日、残念だったのは、スピーカーから出てくる音、
いわゆる『ハコ鳴り』がライブ序盤は、あまり良い音ではないように感じたことです。
ただ、ギャーギャーうるさいだけで、芯も、深みも無い印象で、
正直『ああ、こんなものか』と思ったのですが、
それが5曲目の後半くらいから急に音の芯が見え、
腹にバスドラの音がズンズンと響く様になりました。
ひょっとしたら途中で改善されたのかもしれません。
パンフレットは非常に資料性高し。
過去のアルバム1枚ずつに3人それぞれがコメントするなど、
読み物として非常に充実しています。
あまりに充実しすぎて、もう逆に
「今までのパンフは何だったんだよ!」
という怒りが湧いてしまう困った一品です。
なお会場で配布されたリーフレットには、
すでにこのツアーのDVDが発売予定として告知されていました。
--------------------------------------
最後に1つだけネタバレします。
おい、誰が「MALIBU」のニューバージョン
なんか作ってくれと頼んだ(笑)!
んじゃ、また。