2013年12月30日月曜日

動画検証/2つのFINAL!予定は未定にして決定にあらず。

さて長々と続いた『CAMP FANKS!! ’89』関連エントリーもいよいよFINAL!!
おまけに2013年もいよいよFINAL!!

というわけで、今回は年末スペシャルとして

・『ブレない男』
・『夢をかなえる男』
・『CAROL TOUR FINAL CAMP FANKS!! ’89 FINAL!!』

の3本立てで御送りいたします。








その1『ブレない男』


1984年

























                    ⬇
                    29年後
                    ⬇


2013年


















以上『ブレない男』でした。









その2『夢をかなえる男』


大好きな曲をピアノで弾き語り…。誰だって夢見ますよね。

でも、その『大好きな曲』が、弾き語りには
おおよそ相応しくない曲だったら…。


というわけでポコ太、新しい年を迎えるにあたり長年の夢であった
大好きな曲「Kiss You」のピアノ弾き語り玉砕覚悟でチャレンジ!

今回は試し撮り(音声も含め、iPad Air での一発録り)も兼ねたプロローグとなります。




そもそも『 "弾き語り" って曲じゃないだろう』という、
呆れた声が聞こえてまいりますが、ハテサテどうなりますやら。











その3『CAROL TOUR FINAL
     CAMP FANKS!! ’89 FINAL!!』



さて長々と続いた「FANKS the LIVE 3」関連エントリー
最後のテーマは
[なぜ3週間も発売が遅れたのか?]



ご承知の通りこの作品は、当初10月21日発売とされていたが、
発売を目の前に突如延期となった。

結局3週間も延び、11月10日にようやく発売となった。
その理由は何だったのだろう?というのが今回のエントリー。

なお今回は当Blogの真骨頂『妄想爆発エントリー』ですので、お屠蘇でも飲みながら
「ははは、バカなこと考える奴もいるもんだ」くらいに捉えてくださいね。







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9月終わりか10月頭だったろうか?
ポコ太は、予約を入れていたレコード店から『発売延期になりました』と電話で告げられた。

その時点では『発売日が決まり次第、再度ご連絡します』とだけ言われ、
変更後の発売予定日は告知されなかったと記憶している。
(この辺、ご記憶の方いらっしゃったら御教えください)



以前のエントリーに書いたが、当時ポコ太の拠点のあった関西では(
ちょうど元の発売予定だった10月後半に、
Epic/Sony 制作のTVプログラム『eZ』にて「FANKS the LIVE 3」の一部
(「Nervous」~「Kiss You」つまりぶつ切り編集部分を丸ごと16分程)が放送された。

このぶつ切り編集が、まさか完成品そのものだとは
夢にも思わなかったこともすでに述べた。



ただしこの時期、TM NETWORK にここまで時間を割いて放送された事は、
ビデオ発売延期に対する "エクスキューズ" だと受け取っていた。


※地方によって放送日時が違う番組だった。







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ではまず最初に、この「FANKS the LIVE 3」が他のライブビデオと異なり、
かなり特殊な状況下で製作されていたことに注目してみよう。



特殊な状況下とは
・ジャケットやインナースリーブなどのデザインが
『FANKS the LIVE』シリーズとして、3作一括で同時期に制作されていること。
・そのジャケット表の目立つ部分に収録日が印刷されていること。

画像はDVDのものだが、基本的に同じ





























つまり…


・発売日予定日の2ヶ月以上前(結果としては3ヶ月以上前)に
ジャケットが発表されていた。
・ライブが行われる以前に収録日を発表していた。


ということだ。






このたび発売になったDVD「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation- 」
を見ても、通常ならジャケットデザインが表に出るのは1ヶ月前くらいだろう。


ちなみに1989年7月1日発売『GB DELUXE』では
ニューシングルとして「DIVE INTO YOUR BODY」(7月21日発売)を
12ページにわたり特集していて、コード譜まで掲載されている。
(さすが『GB = ギターブック』)

しかしここまで力を入れながら、ジャケットデザインは
 "Now Printing" のままである。





また、これだけnetが発達した現在でも、収録日がここまでオフィシャル側から
様々なメディアを通じて公にされているのは珍しいだろう。







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あくまでポコ太の記憶であるが
この『FANKS the LIVE』シリーズのジャケット発表もかなり遅かった。
当時の資料でその経過をたどってみよう。



ポコ太の手元にある資料で
『ライブビデオ発売』といった漠然としたものではなく、
具体的なタイトルや発売日が記載されたものは、⬇ これが最初である。

































これは8月頭にレコード屋で配られていたものだ。
ご覧のようにこの時点ではまだ、ジャケットは発表されていない。





ところで唯一、収録曲が記載されている「FANKS the LIVE 1」が
なかなか興味深いのでちょっと寄り道してみよう。(クリックで拡大します)














3曲目「イパネマ'89」というのはこの際、見なかったことにする。
何せ中段の 12inch SINGLE の紹介はもっとハデにやらかしているので…。























            ⬆ それぞれ Coupling の内容に注目


さらに重箱のスミを突くと「Your Song ("D"Mix)」ジャケットの黒枠部分は、
本来、四辺ともズレているのだが、
ここでは白地の背景に上辺だけを基準に水平になるよう合わせてしまった為、
なんだか立て付けの悪い倉庫みたいになってしまっている。






寄り道の途中でさらに寄り道してしまった。






「FANKS the LIVE 1」の収録タイトルだが
「Dragon The Festival」「Kiss You」に (next information) などの注釈がついており、
こちらの方がより実態に近い



しかし、なんといっても目を引くのは1曲目
「Openning ~ Get Wild」だ。
(実際に発売されたものは「Get Wild」のみ)


さすがにあの長~いOP曲(当時の体感では10分くらいあったように思う)が
全編収録されると思わないが
(40分程度の収録時間でそんなことされても困る)
当時、NHKラジオで放送されたくらいの時間分(2分40秒程)は
収録される可能性があったということだろうか?



ごめんなさい。マンネリですがいつもの呪文を…。
『かっ、完全収録DVDを…ギギギ…』







さてようやく話を本題の「FANKS the LIVE 3」に戻すが、
この資料ではジャケットは掲載されていないものの、
この時点ですでに『8月29日の横浜アリーナ公演を収録』と、はっきり書かれている。



つまり8月頭の時点で『CAMP FANKS!! '89』全4公演中、
どの日がビデオ化されるか公になっていたわけだ。







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その後、実際のジャケットデザインを目にしたのは8月10日頃だったと記憶している。
もっとも毎日レコード屋に通っていたわけでもないので、あくまでポコ太の体験ではあるが
店頭に張り出された告知ポスターを食い入るように眺めたのを憶えている。




この時期の資料で手元に残っているのが、この新聞切り抜きだ。



































残念ながら今となっては正確な日付がわからないが、
この広告の裏が訃報欄(合掌)だったため、
その内容から、8月21日(月)〜 8月29日(火)までの間の紙面だと分かる。

スキャン画像では見づらいが「FANKS the LIVE 3」のジャケットには、
はっきり『Aug., 29th, 1989』と印刷されている。







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さらに時を進めよう。
9月中旬となると、いよいよ「FANKS the LIVE 2」の収録内容も発表された。



こちらも今見ると、少々物議を醸し出す広告がある。
サイズが大きすぎてスキャンできなかったが、収録クレジットが
「Children Of The New Century」で終わっている
ものがあるのだ。

ちなみに同じ広告中、収録曲数の多い他のビデオは
すべて書ききれない場合、最後にきちんと『他~曲』と書かれている




単なる記載もれであってほしいが、そもそもこの「FANKS the LIVE 2」

・収録曲のバランスが極端にライブ前半に傾いていること。
・実際に発売された「FANKS the LIVE 2」の収録時間から「Human System」の7分弱を引くと
「FANKS the LIVE 1」の収録時間と同じになること。

に気付くと、ポコ太は笑えないのだ。







ちなみに同時期、9月中旬の広告で、
まだ「FANKS the LIVE 2」が発売にもなっていないのに
「FANKS the LIVE 3」の広告がうたれているものがある ⬇
































この時点でも10月21日発売のクレジットはゆるがない。








この当時は、まだまだライブのビデオ化というのは一般化しはじめた頃なので、
普通なら特定のライブが商品化されるかどうか、事前にはなかなか分からなかったのだが、
この『CAMP FANKS!! '89 収録ビデオ』は「FANKS the LIVE」シリーズとして3作まとめて
7月下旬~8月頭の時点で予約を受付けていた。

つまり7月下旬~8月頭の時点で
10月21日に『CAMP FANKS!! '89 / 8月29日の横浜アリーナ公演』を収録したビデオを発売する
ということは対外的にも既定路線となっていたのだ。


ある意味、引くに引けない状況に追い込まれていたとも言える。







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さて、一旦話を変える。
横浜アリーナは当然として、なぜNKホールでも撮影したのだろう?




もちろん公演が複数回ある場合は、それぞれ素材として収録しておき
ベストテイクをつなぎ合わせるというのは常道だ。

しかしそれにしても通常なら、同じ会場である
横浜アリーナ公演を2日間撮影するのが一般的だろう。
別会場の映像では、つじつまを合わせる手間が段違いに面倒臭くなるのは素人でもわかる。

また、横浜公演のように連続した2日間なら、
初日の撤収・2日目セッティングの手間もかなり軽減されるはずだ。

そして何より8月30日は、
9ヶ月も続いた『CAROL TOUR』 のFINAL企画の、さらにFINAL公演。
盛り上がらないわけがない。
通常ならここに焦点を合わせるだろう。









おそらくこれは、最終日にTM史上初の衛星中継
『クローズドサーキット』が入ることになったため、30日当日の現場での混乱を避けるため、
DVD収録(予備日)が1公演、前に押し出された
のではないだろうか?



ちなみに「FANKS the LIVE 3」中にも数は少ないながら30日の映像は含まれている。
しかし30日収録のDVD「CAROL the LIVE」と全く同一の素材(アングル)は無い。
また画質も相当違う。
(DVD「CAROL the LIVE」の酷い画質が、
フィルムの経年劣化によるものでない事は、後程述べる)

ポコ太は撮影機材の事は詳しく分からないのだが、以上の2点から
カメラなど機材類においては、基本的に "クローズドサーキット" と "DVD収録" は
それぞれ独立した別ラインで行われていたように見える。




象徴的な場面をいくつかキャプチャーした。






















⬆の画像(CAROL the LIVE)に映り込んでるカメラがとらえた映像が、
⬇の画像(FANKS the LIVE 3)




















































⬆の画像(CAROL the LIVE)に映り込んでるカメラがとらえた映像が、
⬇の画像(FANKS the LIVE 3)



















































⬆の画像(CAROL the LIVE)
⬇の画像(FANKS the LIVE 3)






























そしてDVD「FANKS the LIVE 3」に於ける30日映像のあまりの少なさから見るに、
30日のDVD収録は小規模で、補完的、間借りしていただけでは無いだろうか。







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いよいよ妄想爆発タイム!



まず、早くから発表されていた
『8月29日の横浜アリーナ公演を収録』

発表の段階で ⬆ ココを偽る必要性は無いだろう。
制作側としても『8月29日の横浜アリーナ公演』をメインの素材として
編集するつもりだったはずだ。




また前回のエントリーで指摘したように、
バックトラックの音声に関しては8月29日分がかなりの割合でしっかり収録されている。


なお、ボーカルに関しては前回の聴き比べで、8月29日分は音程の幅・声の伸びが
DVD「FANKS the LIVE 3」のソレと比べ、あまり調子が良くないと感じた。
またマイクとの距離が安定せず録音状態が悪い部分もある。
もっともこれは、むしろDVDの方が修正を重ねているのかもしれないが…。



その為、ボーカルの調子が良いNKホールのテイクを使った。
                            ↓
それに引きずられ映像もNKホールが増えてしまった。


…という可能性も考えたのだが、やはり編集の手間を考えると、
いくらあの時代とはいえ、素直にボーカルを修正するか
バックトラックも全てNKホールにしてしまった方が
手っ取り早いと思う。







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そこでポコ太としては音声ではなく、
映像のほうに問題があったのではないかと考える。


8月29日の収録後の映像チェック時に何かが発覚したのではないだろうか?
あくまで凄く極端な例を挙げると
『キズ物になった』とか『紛失した』とか…。





確かに今回の妄想、自分でも相当重症だとは自覚している。
しかし、この妄想をさらに加速させたのが次の2点だ。


・前作「FANKS the LIVE 2」の最後に収録されている本作の予告映像
・上に掲載した新聞広告にも書かれている
 シリーズ全3作購入者への特典ビデオ「FANKS the LIVE 4」の収録映像







御存知のように「FANKS the LIVE 1」の最後には予告として
「FANKS the LIVE 2」の映像が収められている。

しかし「FANKS the LIVE 2」の最後に収録されている予告映像は
「FANKS the LIVE 3」の内容ではなく
「Just One Victory」のPVが収められている。


これに関しては他の2作と違い、「FANKS the LIVE 3」はリアルタイムで編集されていたから
間に合わなかったのだろう、と納得していた。
納得していたのだ。その時は…。







しかし「FANKS the LIVE 3」発売後、手元に届いた「FANKS the LIVE 4」に関しては、
頭の上に???連発であった。


この特典ビデオは「FANKS the LIVE 1~3」から、それぞれのアウトテイクとして
「FANKS the LIVE 1」より「Nervous」
「FANKS the LIVE 2」より「All-Right All-Night」
「FANKS the LIVE 3」より「Confession」
が収録されている。


「Nervous」「All-Right All-Night」に関しては、
確かにそれぞれのビデオのアウトテイクだった。




しかし「Confession」だけが、まるで当時の家庭用ビデオカメラのような画質だったのだ。
明らかに「FANKS the LIVE 3」の画質とは違う。
これはどういうことなのか?

特典ビデオ「FANKS the LIVE 4」より「Confession」





























結局、2004年のDVD「CAROL the LIVE」発売により、
この「Confession」は「FANKS the LIVE 3」のアウトテイクではなく
8月30日に行われた衛星中継
『クローズドサーキット』の映像だったことが明らかになった。


つまり、DVD「CAROL the LIVE」の酷い画質は、
決して発売までの15年間に劣化をきたしたのではなく、
当時からあの画質だったのだ。





先程の『予告編映像』とは違い「FANKS the LIVE 4」制作時には、
すでにライブは終了しており「FANKS the LIVE 3」と同時期の制作だったはずだ。

この『アウトテイク集プレゼント』も最初から決まっていたことであり、
そのために1曲用意することなど造作ないことだろう。




なのにどうして『8月29日収録の映像』では無いのか?





そこまで本編の編集に手間取っていたのだろうか?


こうとも考えられるのではないか?
           ↓
つまり、出せる素材がなにもなかった。







先に述べたように
8月29日の収録後、一部が使えないことが判明。
                  ↓
とりあえず使用可能な部分を寄せ集め、予定通り29日分を柱に編集を始めたものの、
やはり無理があり結果、途中で方針変更
                  ↓
クローズドサーキットによる30日の映像は画質が違う為、
おそらくフィルムの規格自体が違う(例えば16mmと32mmといった違い)。
そのためピンチヒッターとしては使えなかった。
                  ↓
結果、本来サブであったNKホールの映像を柱にすることにした。
                  ↓
編集作業が煩雑に。
(特に、客席側の構造が映り込んでいるカットを横浜アリーナに差し替える作業など)





しかしこの時点で既に、伊東俊郎による音声のミックスは
元の計画通り『8月29日分』を中心に進んでおり、
結果出来上がった映像と辻褄を合わせるため、
ずれのバレやすいボーカル音声のみNKホールのものに差し替えた。





またジャケットデザインも早くに完成しており
当時、TM NETWORK人気の絶頂期だったことを考えると、
予約だけでも相当の出荷数が見込まれるため、
ジャケットの印刷もすでに始まっていただろう。

その結果、差し替えも間に合わず
ジャケットのクレジット(横浜アリーナ公演が柱)と
実際の収録内容(NKホール公演が柱)に齟齬が生じたのではないか。






ここまでの大事であれば、3週間の発売延期も頷けるだろう。


前半部分、特に「Kiss you」における言語道断な編集(もはやリミックスと呼べる)も、
そもそも使える素材の少ない状態で起こる "不自然さ" を誤魔化すため行われた『大技』だったのかもしれない。

いや、単純に「今、これがNowい()んすよ」みたいなつもりだったのかもしれないが…。
※当時すでに死語






どちらにせよ、既に予約を受け付けており、
パッケージデザインに収録日まで印刷されたものを公表しており、
何かしら完成させなければいけない状況に追い詰められてしまった中での
"無理ゲー" を強いられた結果が、
3週間の延期ぶつ切り編集だったのではないだろうか?







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以上がポコ太の妄想する「FANKS the LIVE 3 CAMP FANKS!! '89」発売延期の理由だ。


事の真相は、
映像作品の音頭をとられていた坂西伊作氏は既に鬼籍に入られ
また、ミュージシャン側の案件でもないと思うので、
メンバー自身もあずかり知らぬ話であろう。



そんな中、様々な状況から
『こんな可能性もありうる』と言う話ですので御容赦いただきたい。







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さて冒頭で『CAMP FANKS!! ’89』関連エントリーもいよいよ FINAL!!と
大見得をきりましたが、『発売延期話』が思ったより伸びたので、
前回予告した『その他・雑談関連』はまたいずれ、小ネタ集にでもまとめようと思います。






この一年間、まさに『ブログでやれ』を地でいく
妄想垂れ流し長文Blogにお付き合いいただき、
まことにありがとうざいました。

新年は帰省等のスケジュールが重なるため
次のエントリーは中旬以降になってしまいますが、
いよいよ来年はTM NETWORKのメモリアルイヤー!
当Blogもヘッポコながら続けてまいりますので、よろしければ来年もお付き合いください。


(あと『「Kiss You」弾き語り』も、反面教師としてご期待ください!)




では皆様、良いお年を。
See you next year !


んじゃ、また。







2013年12月6日金曜日

動画検証/2つの音をひとつに繋げ!

みなさま、お久しぶりです。
前回エントリー後、寝込んでしまい病み上がりのポコ太です。
時間があいてしまいましたが「CAMP FANKS!! '89」関連、まだまだ続きます。
よろしければ、またお付き合い下さい。






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1989年、DVD「FANKS the LIVE 3」発売当時。
まだ "疑う" ということを知らない純粋無垢な(法律上ギリギリ)子供だったポコ太は
心の奥底に何やらモヤモヤとしたものを抱えることとなった。

このDVDの映像の流れにつながりが無いことについては、前回までに散々やった。
しかしそれだけではなく、映像と音にもズレを感じていたのだ。



しかし、当時はあまり深く考えなかった。



そんなことより、このDVDの
破壊的なブツ切り編集に怒りを覚え
以下こちらのエントリーに戻り、メビウスの輪を  ループ ループ ループ ループ







〜 失礼いたしました。無事メビウスの輪を抜け出せた方は以降をお読みください。〜








そんなポコ太に数年後、転機が訪れる。
1994年「TMN GROOVE GEAR 1984-1994」の発売である。

このボックスセットに含まれるCD「TMN GROOVE GEAR 2」
(以下「GROOVE GEAR 2」)に
「CAMP FANKS!! '89」関連の曲が2曲収録されたのだ。

TMN GROOVE GEAR 2






















しかし、このCD「GROOVE GEAR 2」とDVD「FANKS the LIVE 3」、
どちらも収録日のクレジットは『8月29日』になっているのに
実際の内容は所々、箇所によってはド派手に違うのだ。





    『どちらかが嘘をついている?!』





DVD発売以来、胸の奥に感じていた疑念を
はっきりと自覚したその時
ポコ太は大人への階段を上り始めたのである。






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本題に入る前に、ひとつお断りしておく。

「CAMP FANKS!! '89」に関連する商品としてはもう一つ、
1992年に発売された2枚のLIVE CD
「TMN COLOSSEUM Ⅰ」「TMN COLOSSEUM Ⅱ」が存在する。

「TMN COLOSSEUM Ⅰ&Ⅱ」














しかしこの2枚は、異なるツアーの音源を組み合わせて構成した
 "架空のLIVE盤" という企画からして、どの収録曲も『編集上等!』な為、
同じく『編集上等!』なDVD「FANKS the LIVE 3」と比較しても
不毛な作業にしかならない。
よって今回のエントリーの趣旨からして、参考資料とせずに除外する。

 (もちろんおいしいネタはとっておくという意味もありますヨ。ニヤリ…)






それに比べ「TMN GROOVE GEAR」は、『TMN終了』にあわせ企画されたものであり、
同梱の他のアイテムを見ても、相当短時間で『でっち上げた』※ 商品と思われる。
そのため「TMN COLOSSEUM」のような細かい編集はされておらず
ライブテイクについては基本『録って出し』だ。

なぜか「TMN COLOSSEUM」と同テイクの「SELF CONTROL」が収録されているため、
「TMN COLOSSEUM」でのイントロ尺編集や、両者のミックスの違いなどが分かり面白い。


※しかし、そのおかげ(?)で普通なら日の目を見ないような内容が含まれている。
『RHYTHM RED TOUR』の「BURNIN' STREET」が世に出るなんて誰が予想しただろう!







というわけで、今回まな板に乗る資料は以下の3点とする。



☆ 被疑者
   DVD「FANKS the LIVE 3」(本人は8月29日の音だと主張)
   CD 「GROOVE GEAR 2」(本人は8月29日の音だと主張)


☆ 重要参考人
   DVD「CAROL the LIVE」(8月30日の音の証言者)





なお、今回のエントリーは
あくまで CD「GROOVE GEAR 2」の存在があってこそなので、
これに収録された2曲に限定した話だということもお断りしておく。






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ではまず、CD「GROOVE GEAR 2」から見ていこう。
こちらに収録されている「CAMP FANKS!! '89」関連は次の2曲。

  07 COME ON EVERYBODY [LIVE VERSION] at Yokohama Arena on 8/29/1989
  08 KISS YOU [LIVE VERSION] at Yokohama Arena on 8/29/1989

「TMN COLOSSEUM」とは違い、これにはインナースリーブに
収録日がはっきり書かれている。
これは頼もしい。安心できる。信頼できる情報だ。






   と、思ったら甘かったんとんてんちんとんしゃん。







何せ、そのすぐ下の2曲に書かれている収録日は ⬇ こうだ。

  09 BURNIN' STREET [LIVE VERSION] at Sendai Izumty 21 on 2/22/1990
  10 GET WILD [LIVE VERSION] at Sendai Izumty 21 on 2/22/1990

この2曲が演奏された『RHYTHM RED TOUR』のスタートは1990年12月なので、
実際の仙台公演の日付は、年をまたいだ1991年となる



ほかにも「TMN GROOVE GEAR 1」のインナースリーブでは
「DON'T LET ME CRY [LIVE VERSION]」の作詞者 神沢礼江氏の名前を
[Kanzawoと表記していたりと、甚だ心もとない。






というわけで『しょうがない子だね~まったく』と、
おかんのようにブツクサ言いながら、ポコ太が裏取りをしてみた。






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手順としてはこうだ。



まず、DVD「FANKS the LIVE 3」から、日付けによる違いが分かり易い "小室哲哉の生演奏"
すなわち、シンセソロ・この時期特有の派手なシンセブラス音・
フレーズサンプルの手弾き部分などに注目する。

                   ↓

このうち前回指摘した『舞台上から観客席を望む』アングルのカットを探す。

                   ↓

そのカットの小室哲哉の指の動きや、弾いている『メモリーモーグ』及び
5台の各『EOS』から接続されている『TX16W(サンプラー)』や『Prophet VS』など
各音源機材の音実際のDVDの音が一致しているかを確認。
一致していれば、横浜アリーナ(29日か30日)の音と確定。

                   ↓

その音とDVD「CAROL the LIVE」を比較し、30日では無いことを確認。
これにより横浜アリーナ・29日の音と確定。










例えば ⬆ このカットの場合。

・画像奥の客席から横浜アリーナであることが分かる。
・同じ部分をDVD「CAROL the LIVE」と比較し、30日では無いことを確認。
・小室哲哉が、背後にセットされた『EOS』を弾いている。
・「CAMP FANKS!! '89」で導入された この5台目の『EOS』は
 『TX16W』に繋がれ、実質『オーケストラ・ヒット』専用鍵盤として使われている。
・小室哲哉の腕の動きに合わせ "ジャン!" という
 『オーケストラ・ヒット』の音色が鳴れば、29日の音であることが確定。


※「CAROL Tour」では、この位置にデジタルピアノがセットされていた。








こうして DVD「FANKS the LIVE 3」側から『実際の29日の音』を確定するのだが、
前回のエントリーで述べたように、この DVD「FANKS the LIVE 3」、
『横浜アリーナのカット』自体がそもそも少ないため
上記の条件に当てはまるカットは非常に限られる。


そのため もう1つの判断基準として
『客席側から観客の頭越しに舞台上を眺めた』カット、すなわち明らかにNKホールの映像から
映像と音があっていない、かつ、30日の音とは違う部分の音は『29日の音』と判断した。

明らかにNKホール































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こうしてみると、摘出したDVD「FANKS the LIVE 3」側の29日の音と、
CD「GROOVE GEAR 2」の音は確かに一致している。
どうやらCD「GROOVE GEAR 2」の8月29日収録という表記は間違いなさそうだ。



なお大変残念ながら、このツアーではサポートの2人がメンバーと離れた2階部分にいるため、
同一画面に収まるカットでは、かなり『引きの画』になってしまい、
その手元などを確認することが難しい。

また、2階部分は『あおりの画』が多いため、
阿部薫の手元はドラムセットに囲まれてよく見えない。


そのため映像に頼ることができず、純粋に音だけを両者比較したが、
フィルやハイハットワークなどのドラムフレーズ、
ソロやその他、ギターフレーズのニュアンスで
CDとDVD、特に『ここが違う』という箇所は見つけられなかった

(DVD「FANKS the LIVE 3」と DVD「CAROL the LIVE(8月30日)」では明らかに違う)





そのため DVD「FANKS the LIVE 3」における
「Come On Everybody」と「Kiss You」の音は、小室哲哉のプレイ内容だけでなく
 "バックの演奏は一体として収録された" という前提で話を進める。



ちなみにこれ以外の曲となると様子が違い、例えば
「CAMP FANKS FINAL THEME」は、全編NKホールの音。
「Get Wild '89」は、NKホールの音と横浜アリーナ29日の音がツギハギされている。






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ただ、CD「GROOVE GEAR 2」がクレジット通りの29日分と確定すると、今度はDVD「FANKS the LIVE 3」の方が
おかしなことになる。

CD「GROOVE GEAR 2」と、DVD「FANKS the LIVE 3」では
ボーカルが一致しないのだ。




細かいニュアンスやブレスなどを挙げても、文章ではなかなか伝えにくいので、
まずは誰にでもわかる『ド派手に違う』部分を3点あげてみた。




DVD「FANKS the LIVE 3」に対して、CD「GROOVE GEAR 2」では

・COME ON EVERYBODY [LIVE VERSION] 
   1)曲の最後『♪きっと今夜 捜し出せるさ~』を歌っていない。
   2)エンディング部分(4:41~)で叫んでいる『ダッ・ダッ・ダッ』と言う部分が
       DVDでは『ダッ・ダッ・ダッ・ダッ・ダッ』
       CDでは  『ダッ・ダッ Everybody say ! Come on ! 』


・KISS YOU [LIVE VERSION] 
   3)間奏部分での語り『I kiss you for Happy Christmas ~ 』が無い。

     また、若干細かい部分になるが(2:16~2:18)の辺りが、
     おそらく激しいダンスによってマイクと口の距離が安定せず、
     特に『♪引き寄せる~』が、きちんと録音されていない

     しかし、この部分をDVD「FANKS the LIVE 3」で見ると、
     特に問題なく歌っているように見える。





1)と 3)については
音声をミックスする際に該当部のボーカルだけ、



      「おう!カメ、シンナーに気をつけてミックスしなぁ!」
           「わっかりやしたぁ~、親方ぁ。」



と、こんな調子でうっかりミュート(消音)
してしまったという可能性もないことはないが…。



しかし、万が一にもそうだったとしても、2)については説明できない。
この部分のボーカルは明らかに別テイクである。






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また CD「GROOVE GEAR 2」のボーカルは、その他の部分もブレスやニュアンスなど
DVD「FANKS the LIVE 3」あるいは DVD「CAROL the LIVE」の音と異なっている。



例えば赤文字の部分を(この年の瀬にヒマな人は)聞き比べてみてほしい。

・COME ON EVERYBODY [LIVE VERSION] 
 (2:46)君だけをみつめている 
 (2:51)忘れずに 忘れずにいろ
 (3:17~)Don't stop dancin' Don't stop the music(DVDでは歌っていない

この部分、DVD「FANKS the LIVE 3」ではNKホールのボーカルにかかわらず、
  横浜アリーナの映像が使われている。 が、アングルは ⬇ この通りである。





























・KISS YOU [LIVE VERSION]
 (2:08)不可能な夢をかなえ
 (2:16)You go down, go up so many times
 (5:19)I kiss you
 (6:58)I kiss the world





バック演奏は同じなのに、ボーカルはこの食い違い…。
この点、ポコ太にとって長年 本当に謎 であった。






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しかし、これも前回のエントリーをご覧になった方ならお分かりになるだろう。
上に挙げた箇所を DVD「FANKS the LIVE 3」で見れば
全てNKホールの映像となっている。

つまり、この2曲はバック演奏の音は29日のもので、
ボーカルだけNKホールの音をベースにミックスしているのだ。






別曲となるが、それがよくわかるのが DVD「FANKS the LIVE 3」の
「Come On Let's Dance (Dance Supreme)」エンディング部分。
一通り歌い終わった宇都宮隆が、アドリブで合いの手を入れるシーン。

こういうアドリブ部分で『映像』と『音』が別テイクだと合わせるのは非常に困難となるが、
このDVDでは、ご覧のようにぴったりと合っている。
そしてそのカットは全てNKホールの映像が使われている。



つまりこの部分のボーカル音声はNKホールのテイクなのだ。
そして見栄え上ボーカルを優先したため、その後ろに映り込んでる
小室哲哉の方は悲しいほど映像と音が合っていない。

       ⬇ 指先と音が合っていないどころか、鍵盤に触れてすらいない。
シンセ担当の方、働いてください!




























  ⬇ その直後のカットではバッチリと合う!と思ったら、それは横浜アリーナの映像…。































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前回、今回のエントリーと通じ、このDVD「FANKS the LIVE 3」の
編集のからくりが分かると、このDVDの小室哲哉の映像と、
聞こえてくる音にはかなり齟齬があることに気付く。


先にも少しふれたが、指の動きだけではなく、
一見 弾いているように見えても、5台セッティングされた『EOS』から
それぞれに接続されている音源機材が頭に入っている方ならば、
本来、その映像で弾いている『EOS』から出るはずの音色
実際に聞こえてくる音色バラバラなことに気づくだろう。



例えば下手側下段の『EOS』を弾いているのに、
聞こえてくる音は『オーケストラ・ヒット』だったりなど…。

このDVD「FANKS the LIVE 3」では、⬆ こういう場面が非常に多い。
もはや一致させることを放棄していると思われるレベルだ。



これは前回指摘したように、映像的にNKホールの割合が多くなってしまった為、
一番写る割合が多く、かつ素人目にもズレるとすぐにバレてしまう
ボーカルの音(声)を優先した結果だろう。





  引き攣りそうな指遣いで演奏する小室哲哉 ⬇ しかし、その音は聞こえてこない…。
































… ただ、そうなると当然、
『だったらバック演奏含め、
  全てNKホールの音にすればいいんじゃないの?』
という疑問が湧く。


実際、一部の曲ではそうされているのにだ。
ワケがわからない。


ひょっとして、ここにも発売延期となったヒントが隠されているのだろうか?。
これについては次回。












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なおボーカルだけ『NKホールの音を「ベース」に』と書いたのは、
ボーカルに関しては
横浜アリーナ29日のテイクも合わせて使われているからだ。


これも使われているのは、やはりアドリブ部分が多い
映像的に使いたいものの、ごまかしが効かないため、
音の方を丹念に編集してかけ合わせたのだろう。



例えば「COME ON EVERYBODY」のエンディング部分。
一通り歌い終わった宇都宮隆が、アドリブで合いの手を入れるシーン。

DVD「FANKS the LIVE 3」を見ると、21小節に渡りなにかしら歌っているが
CD「GROOVE GEAR 2」では最初の8小節(4:40~4:55)は違うフレーズを歌っている。

ところが、9小節目以降(4:55~5:20)は
DVD「FANKS the LIVE 3」のボーカルと同テイクが使われている。
DVDではちょうどこの瞬間、横浜アリーナの映像に切り替わる




かなり大胆な編集であるが、この四半世紀
ポコ太は全然気付かなかった






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ただ、ここまでの検証どおり、CD「GROOVE GEAR 2」が純粋な29日の音だとすると
他の部分はともかく「COME ON EVERYBODY」のラスト部分
『♪きっと今夜 捜し出せるさー』というのを
29日は歌わなかったということだろうか???



さすがにこの部分を歌わないと曲が締まらないと思うのだが、
ひょっとして、『また』『また』『また』
宇都宮隆はヤラかしてしまった のだろうか?!


God save the UTU !!






























と、とんでもないオチ がついたところで今回はおしまい。






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さて、次回はついに「CAMP FANKS!! '89」関連・最後のエントリー!!(だと思う…)

DVD「FANKS the LIVE 3」を
この2ヶ月ほどで一生分の視聴をしたなかで気付いた
『その他・雑なネタ』をひとまとめにして放出!




んじゃ、また。